奨学金や教育ローンを賢く使って留学費用を用意しよう!

留学費用は1年に500万円かかる!?

海外への留学費用は、どこの国にどのぐらいの期間、滞在するかで費用がだいぶ違いますが、授業料や教科書代のほか生活費や留学エージェントに払う費用を含め、1年間で300万円から500万円程かかるのが普通で、高い場合には1,000万円にものぼると言われています。これらの金額をすぐに用意できずに留学を諦める人が多いのですが、留学費用として使える奨学金や教育ローンがあります。奨学金には、返済が不要な「給付型奨学金」と、返済が必要な「貸与型奨学金」があります。給付型奨学金は、語学研修や短期留学の場合は利用できない、留学先の語学ができる必要がある、留学先が限定されているなどの条件があり、これに申し込める人はごく少数となっています。したがって、ここでは返済が必要な貸与型奨学金について見ていきます。

独立行政法人日本学生支援機構の奨学金

日本学生支援機構は国が管轄しており、経済的に困難な学生を対象として、返済の必要な貸与型奨学金を扱っています。日本学生支援機構の留学費用の奨学金制度には利息のつかない「第一種奨学金」と利息のつく「第二種奨学金」の二つあります。「第一種奨学金」は学業が優れており、経済的に特に困難な人だけが申し込めるものであるため、ほとんどの人は「第二種奨学金」に申し込みます。「第二種奨学金」は「奨学金」という名がついていますが、日本学生支援機構ではこれを「教育ローン」と呼んでいます。

独立行政法人日本学生支援機構のサイトはこちら

短期留学と長期留学向けの教育ローンがある

第二種奨学金には、「短期留学」と「海外」の二つの制度があります。「短期留学」は、日本の大学や大学院に在籍している学生向けであり、「海外」は海外の大学や大学院に長期留学し、学位を取得することを目的にしている人が対象です。この二つを比較してみましょう。

「短期留学」の申し込み対象者は、国内在籍中に海外の大学や大学院などへ3ヵ月以上1年以内の短期留学する学生、2年以内の国内外両方で学位を取得する「ダブルディグリー・プログラム」を利用する学生であり、社会人は申し込めません。世帯収入は1,190万円以下であることが条件です。

一方「海外」は、海外の大学や大学院に学位取得を目的として進学する人が対象であり、語学学校や短大、ディプロマコースは不可となっています。また、国内の学校を卒業後3年以内の社会人も申し込みができます。また世帯収入の条件は、世帯人数によっても変わりますが、学部進学の場合1,300万円以下、大学院修士課程の場合は536万円以下、博士課程の場合は718万円以下となっています。

金利は両者とも、上限の年率が3%であり、「利息固定方式」と5年ごとに利息が見直しされる「利息見直し方式」の二つから選べるようになっています。この年率は実際には最大1.09%となっており、銀行の教育ローンに比べて大変に低い金利です。また「短期留学」と「海外」とでは、保証についても違っています。「短期留学」の場合は、保証機関(日本国際教育保証支援協会)による保証か、連帯保証人のどちらかが必要です。一方「海外」では、保証機関(日本国際教育保証支援協会)による保証と連帯保証人の両方が必要となっているので、注意が必要です。

日本政策金融公庫の教育ローン

日本政策金融公庫では「国の教育ローン」を設けており、語学留学を始めとして6ヵ月以上の海外留学に必要なさまざまな費用に利用できます。学費だけでなく、渡航費用や住居費にも利用できるので大変に便利です。金利は1.76%と低金利で、固定金利です。申し込み対象者は、6ヵ月以上、海外の語学学校や高校、専門学校、短大、大学および大学院などに留学する人の保護者です。借入限度額は1年以上留学する場合、450万円です。保証については、担保や保証人がなくてもよく、保証機関を利用する場合は保証料が必要になります。融資額から保証料が引かれて借りることになるため、気をつけなければなりません。また返済については、留学中、在学中は利息だけの返済ができます。

日本学生支援機構の「第二種奨学金」だけでは資金が不足する場合、日本政策金融公庫の教育ローンと併用して借りることができます。ただ、返済額が大きくなるため、返済のシミュレーションをきちんと行い、しっかりとした計画を立てることが大切です。

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銀行などの金融機関の教育ローン

銀行で教育ローンを組んだら金利が高いのではないかと思う場合が多いのですが、銀行によって、保証料が金利に含まれていることがあり、国の教育ローンより安く借りられることがあります。たとえば300万円を借りて10年(120回)払いで返済することを見ると、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」では年利1.76%(固定金利)、月々の返済額が 27,500円、保証料が107,955円、返済総額が3,271,600円、利息プラス保証料で379,555円となります。

一方、ある銀行の留学ローンでは、年利2.40%(固定金利)、月々の返済額が28,145 円、総返済額が3,377,371円、利息は保証料込みで377,371円となり、銀行のほうが安くなっています。

留学費用を教育ローンや留学ローンではない、一般のカードローンやフリーローンで借りたのでは、金利がとても高く、返済が難しくなることがあります。各金融機関の特徴をよく調べて、自分の状況に最も合ったところから上手に借りるようにしましょう。

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